726 :修羅場な話 2016/03/05(土) 11:22:24 ID:hLI

20年ぐらい前、お稽古の帰りに歩道を歩いていたら
私の前を歩いてる女忄生のバレッタの飾りの部分がポロッと落ちた。
「落ちましたよっ!」って言いながらそれを拾おうとかがんだ。
その女忄生も声に気が付いて立ち止まり振り向いた。
直後にドスッ!って鈍い音がした。
振り向いた女忄生の向うに人が倒れていた。
声に気付いて立ち止まらずにもう何歩か歩いていたら
飛び降り自杀殳の巻き添えになるところだった。
ヒィィィィィィィ!!!!ってなって、ふたりとも腰抜かして抱き合って震えながら泣いた。
その後、何故かふたりで手をつないだままガクブルしながら現場を離れ
近くのホテル入口の階段に座って気持ちを落ち着かせるように色々おしゃべりした。
「あなたのおかげで助かったわー」
「いやいや、あなたのバレットが持ち主を危険から救ったのよー」
「いやいやいや」「いやいやいやいや」
みたいな感じで、なんかお互いの会話の温度が似てるのが良かったのか
その後連絡先を交換し合って仲良くなり、互いの結婚式に招待し合うほどになった。
その彼女も昨年病気でこの世を去ったんだけど、
今まで生きて来た中で、彼女ほど一緒にいて気楽というか
心の内を曝け出せる人はいなかったから、いなくなって本当に悲しい。
一年経つけど、いまだに思い出すと涙が出る。
彼女がいなかったら、飛び降り自杀殳をまともに目撃してトラウマになるところだった。
彼女が一緒だったからそうならずにすんだ。