203: おさかなくわえた名無しさん 2010/03/04(木) 19:59:59 ID:fZHfLRCB
10年ほど前、私は病院の栄養士だった。
たまたま5月の連休に休みが取れたので、 
久しぶりに両親と母親の実家(田舎)に行った。 
母の実家には親戚一同が集まっていて、
栄養士をしている私の話になったが、
なんだか叔母たちにトゲがある。 

『栄養士なんてど〜せ料理なんかできやしない、
頭でっかちな女なんでしょ』そんな空気だ。 
久しぶりに会った叔母たちにそんな態度をとられて、
私は落ち込むを通り越して、嫌な気分になっていた。 

そのとき、うちの母が夕食を作ると言い出したので、私も手伝った。 
メニューはその日の朝、山で取れた山菜とその他いろいろの天ぷらだ。 
下ごしらえを終えて母が「じゃあこれ全部揚げてね」と私に言った。 
20人分はあるだろう大量のネタを目の前に、
私は臆することなく揚げ物をはじめた。 

私が働いていた病院は献立作成などの事務は病院専属の栄養士がし、
厨房業務は委託会社が請け負ってた。 
で、私は委託会社の栄養士なので、現場で料理ばかりしていた。 
しかも、私が働いていた厨房は設備が整っておらず、フライヤーはおろか、 
自動的に油の温度を調節してくれるコンロもない。揚げ物は自分の腕と勘のみだ。 

慣れた手つきで、サックサクの天ぷらがバンバン揚がる様子を、
目を皿のようにして見つめる叔母たち。 
そのうち、待ち切れなくなった叔父たちが宴会をはじめ、
私が全部終えるころにはほとんどなくなっていた。 
私の口にはあまり入らなかったが、皆がとてもおいしそうに食べる様子を見るだけで、大満足だ。 

その後、叔母たちは私に対して、トゲのある態度で接することはなくなり、 
むしろ、一人の大人として接してくれるようになった。 

後日談…田舎で私の天ぷらの揚げ方が広まって、
ボテッとしていた天ぷらがサクっとなったらしいww