320: 名無しさん@お腹いっぱい。 2010/04/23(金) 22:35:10
そろそろ30になるという時にした伯父に紹介された相手が嫁だ。 
俺は大学の時の彼女に手酷く裏切られてから、 
女気なし(風呂屋を除く)で暮らしていたが、 
息子のいない田舎の伯父からそろそろ身を固めろと言われて、 
父の実家に行った際に、無理やり引き合わされた。 

その時24の嫁は生まれてから一切男気がなしだったんだが、 
誰もがそれを疑わない容姿の持ち主だった。 
しかし、嫁の雇用主の伯父が言うには 
「ちょっと暗いが真面目な良い娘、家庭的で結婚相手には最適」 

初顔合わせの席で会ってみれば、凄く暗いww 
話もろくに出来ないし、地味で田舎臭く、 
とてもじゃないが相手にする気は起きなかった。 
そのまま盛り上がらずに別れる段になったんだが、 
急に嫁が大声を出して、 

「オハギ好きですか?」「…はぁ」 
「作ってきたんで帰りの電車の中で食べて下さい」 
ちょうどお彼岸だったんだが、 
大きめ目のが12個入った紙の箱を渡された。 
面倒だなと思ったが要らないとも言えずそのまま持ち帰った。 

一人暮らしの部屋に戻り、蓋を開けて 
持ち方が悪かったせいで片寄ってて洗練されてない感じの 
あんこの塊を見ているうちに何故か、嫁はきっと 
不器用で苦労性だけど誠実で心の暖かい人柄だと思った。 
はっきり言って直感もいいところだが、嫁とは上手く行くと思った。 

だが、連絡先も聞いてなかったので伯父に、嫁の事が気にいったので 
結婚を前提に付き合うつもりだと電話した。 

次の日の夜の10時頃、嫁から俺の携帯に電話があり、 
「本気なんですか?」「はい」 
「私で良いんですか?」「はい、嫁子さんが良いんです」 
「…」「…嫌ですか?」 
「嫌じゃないです!」「じゃぁ友達から初めて下さい」 
「はい、嘘じゃないですよね?」「はい、信じてください」 

今、嫁のお腹には3人目がいる。