26 :修羅場な話 2014/09/12(金) 04:48:42 ID:NFI68F2L0.net
10年くらい前に、近所で火事かあった。
夜中だったけど、サイレンの音で起こされてベランダから見ていたら、類焼の恐れがあるからって避難させられた。

焼け跡から、教員定年後に自宅で個人塾を開いていた爺さんの遺体が見つかり、火元は爺さんの寝煙草だった。
それから数年、爺さん宅の焼け跡は小さな公園として遺族が整備し、解放してある。
所詮は個人宅の跡地、大した広さはなく、小学生が数人で遊べるレベル。

町内会の掃除の時に子供から聞いたのだが、この公園には爺さんの幽霊が出るらしい。
普通の爺さんの格好で、「勉強で分からない所はないか?」と聞いてくるという。
教科書とノートをベンチに広げて爺さんに教えて貰い、勉強に夢中になっているうちに、いつの間にか居なくなっているらしい。
それで実際に、落ちこぼれ児が勉強得意になったと言うから驚く。
その子が道徳の時間に「公園の掃除をしたい」と言って、学級全員で大掃除をしたこともあるらしい。

経営していた個人塾で、不登校児を更正させたり、家庭環境の悪い子の勉強の場として解放したり、夫婦喧嘩が始まった時の避難先に使わせていたり、勉強より世話上手で知られていたが。
タヒんで何も無くなっても、知識は財産だよ、って爺さん幽霊がそう言ってたーと無邪気に笑う子供が眩しかった。
そういえば、公園のすみで一人でエグエグ泣いてる女の子とか、ベンチにノート広げて勉強してる子とか、たまに見る気がする。

爺さん・・・生きているうちから凄い人だったらしいけど、タヒんでからも凄いよ。
タヒ後10年経ってもまだ、爺さんに頼る子供が居るんだからね。