711 :修羅場な話 2020/09/12(土) 14:45:31 ID:VL.v4.L1
ド田舎もド田舎の会社での話。

ある日「お電話ありがとうございます。〇〇会社の〇〇でございます」電話をとると、
「ワシじゃ!!!佐々木(仮名)じゃ!!!」となぜか、喧嘩腰の第一声。
うちの会社にはダイヤルがひとつしかないので、お客様のほか、一般の方からの問い合わせも多く入る。
しかも佐々木なんて名前の人は全国にごまんといるんだからお前がどこの佐々木かは超能力者でもない限りわかりっこない。

すごくすごく丁重に「失礼ですが、どちらの佐々木さまでしょうか」と聞けば「〇〇○○(飲食店)の佐々木じゃ、ボケェ! !!お得意様の名前もわからんのか!!!」と大絶叫。
そして、「お得意様の名前を把握していなかったこと」について、事務員失格だと30分に及ぶ電話口での大説教をかまされた。

私は大いにショックを受けていた。だって、その店主は異常なほど腰が低くて、ニコニコ笑顔の耐えない人で有名だったから。
というか、むしろ私の一族がお前の店の大得意さまだ。普段の外食はもちろん、法事などの冠婚葬祭は一切合切その店に頼んでおり、一族全体が常連中の常連だった。
その日、帰ってすぐさま祖父(本家)に報告すると、大爆笑。えらいゴシップを知ってしまったという顔でニヤニヤしていた。

早速、次の法事で集まったときに祖父が「この間はうちの孫がどうも」と店主に声をかけた。
「あれ?どこかでお会いしましたっけ?」ときたので、
「あぁ、社会勉強も兼ねて〇〇〇〇会社に勤め始めたんです」と返すと、店主が赤くなったり青くなったりしながらモゴモゴいって奥に引っ込んだ。

ちなみに、この店、私が勤めてる会社のお得意様でもなんでもない。
むしろ、少額でえらそうに威張り、無理な値引きばっかり通そうとするから嫌がられていた。

口の軽い祖父から、店主の噂はどんどんと広がり、「腰の低い店主がいる店」から「二重人格のヤバい店主がいる店」へと評価が一転。
うちの一族も、前よりは通う頻度がガクッと減った。

佐々木さんの論理で行けば、電話かけてきたときに、
お得意さま一族の跡継ぎである私の名前がわからなかったんだから仕方ないよね。
コロナで大変だろうけど、大いに頑張ってほしい。