31:愛とタヒの名無しさん2010/08/10(火) 00:40:21
数年前に出席した幼馴染の式。
新婦の父は学生時代に事故で他界しており、席には父親の写真が置かれていた。

「お父様を亡くされた後もお母様が女手ひとつで一生懸命新婦様を育ててこられたとのこと。
 ○子さんは家事も得意で料理がとてもお上手と△男くんから聞いております。
 彼女が優しくしっかり者なのは、そんなお母様の姿を見て育ったからでしょうね」
こんな内容のことを上司らしき人がスピーチ。とても良い内容。
すると新婦親族席のほうから年寄りの声で「適当いうんじゃねぇ」というような小声の野次が。
新婦も新郎と顔を見合わせて微妙な表情。

実は新婦母として座っている人は故新婦父の再婚相手で新婦とは血が繋がっていない。
再婚後、新婦のことが(おそらく)邪魔だったらしく地元から離れた高校の寮へ新婦を入れた。
その後新婦父タヒ亡、新婦は大学へ行きたかったけれど費用面などで継母の反対に遭い叶わず
高卒で地元から離れた土地でそのまま就職している。
継母からは可愛がられたことはなかったそうだし、ほとんど一緒に暮らしたこともない。
ここらの事情は私や他の友人、新郎等親しい人はみんな知っている。

野次はその控えめな一言だけだったけれど、事情を知る人みんなが微妙な気分になった。
でもそれ以上のトラブルはなく式は終わり、新郎新婦は今も仲良く暮らしている。
今も彼女とたまに連絡を取るけれど生い立ちを知ったお姑さんが
とても優しくしてくれるようなのが幸い。