341:おさかなくわえた名無しさん2014/02/27(木) 18:56:58.33ID:nbNOJs00
10人姉弟の6番目として戦中に生まれた母親は
3歳で終戦を迎え、
6歳で樺太から日本に引き揚げてきた

奇跡的に一家全員が無事だったとはいえ
日本での生活は苦しく
母親は中学こそ何とか卒業したものの
下の弟妹の世話や家の手伝いに追われ
ほとんど勉強できなかったことに悔いを残していた

その後美容師の資格を取り、
結婚後も美容師として働いていたが
俺が中学に入ると俺の教科書を借りて勉強を始めた

勉強自体がおよそ20年ぶり、
しかも頭の回転も記憶力も10代のようにはいかない
それでも家事を終えた夜、
一生懸命に教科書をめくりノートを取っていた

当時の俺は部活一筋で
自主的に机に向かうのはテスト前くらいだったが
母親のそんな姿を見るうちに
負けてらんねえみたいな謎のライバル心が湧き
自然と勉強する時間が増えていった