478: 1/2 投稿日:2011/01/01(土) 19:32:45
嫁は会社の同期だった。 
女子校女子大で如何にもお嬢様って感じの美人なので新入社員教育の頃からモテモテだった。 
俺は非モテ系だったし職場も違うので嫁は別世界の住人で会えば挨拶する程度だった。 

そんな感じで時は流れ入社半年ほどすると同期のネットワークで嫁の悪い噂が流れだした。 
・優しいのは外見だけで実は高飛車 
・男を次々取り替えている 
・コネ入社で仕事が出来ない 
悪い事に全部事実だった。結果として嫁は会社内で嫌われ者になっていたのであった。 

入社した暮れに同期だけの飲み会があったが俺は仕事が終わらなかったのでキャンセルした。 
9時過ぎに嫁が俺のフロアにやってきてなにやら話しかける。 
ちょうど仕事が終わった所だったので二次会に合流するのを止めて嫁と食事を取る事にした。 

自分が浮いている事に気付いていた嫁は俺に色々言い訳めいた事を話した。 
話を聞いている内に気付いた事は嫁は結婚相手を見つけるまでの腰掛のつもりで入社していて 
男との付き合いは学生時代殆んどなくしかも重度のファザコンで、 
父親が母親にしたような恋愛を望んでいるちょっと時代遅れの感覚の持ち主だった。 

嫁は語る恋愛失敗談は男に対して経済的に完璧に頼れて嫁を優しくリードしくれて 
我侭を聞いてくれて嫁をお姫様扱いしてくれるナイトになる事を要求したモノばかりだった。 

「私、もう会社にいられない、どうしたらいいか分らない」という嫁にちょっとした助言をした。 
高スペックの男を求める前に先ずは愛してくれる男を見つけろと。 
収入が低くても、顔がブサ面でも、気が弱くて自分から告白できないよな奴でも許せと。 

「そうかも知れないけれど、私の事愛してくれる人なんて居ないと思う」と言う嫁に、 
グダグダ気味で早く帰りたくなってたので面倒になり、 
君が気付いてないだけで必ずいる、案外身近にいると思う、と慰めた。 

そうしたら何処をどう勘違いしたか 
「え、そういう意味だったの?」って言った後、なにやら俺に向って急にニコニコし出す。 
その日は直ぐに寝たかったので帰してもらえたが、 
次の週から俺は嫁からロックオンされて猛追を受ける事になる。